私からラムネが奪われていく。
ラムネといっても飲み物ではなく、安価なお菓子の定番のあのラムネである。駄菓子の領分に入るのかもしれない。あるスーパーでそこそこの大袋のラムネを買って食べていたのだが、先日行ってみたら該当商品の取り扱いをやめてしまっていた。衝撃。
まあ確かに今時、よく売れるようなタイプのおしゃれなお菓子ではない…。しかしこれは死活問題である。私の好んで食べるお菓子には、日清シスコのエースコイン、ホッカのハードビスケット、ミスターイトウのチョコチップクッキー、平和製菓のそばぼうろなどが挙げられるが、近年そのランキング入が有望なお菓子が、ラムネであった。
ただしラムネとひとくちにいっても、種類はたくさんある…。駄菓子売り場でよくみかけるのは、ビンのラムネを模した明治のラムネ、ラムネといえばこれを思い出すカクダイ製菓のクッピーラムネ、カバヤ食品のジューC、コカ・コーラの缶を模したようなオリオンのミニラムネ、ぴーぴー吹いて遊んだコリスのフエラムネ…私が食べていたのはこのあたりか。他にもメーカーを覚えていない、個包装タイプのものなどが家族が買ってきてお菓子を常備する棚に入れていたものであった。(多分割合的にはそれが一番多い) そして子供の頃はフエラムネを好んでいたように思う。あの遊びを取り入れたスタイルが子供心をくすぐったのであろう。味そのものよりもそういったポイントに気が移りがちな年頃だ。
しかしもう齢三十も超えて、久しぶりにラムネ菓子を口にした時、あのほろほろと崩れ、ほどけていく酸味、舌触りが如何様にも例へがたく懐かしく、何故か祖母のことを思い出したのであった。特別祖母がラムネをくれたり、直接買ってくれたわけではないのだが。お菓子関係のことは祖母のポジションが家庭内において近かったのだろうと思われる。
そんなわけで、最近売られているラムネの中でも、糖衣でかためられたハードタイプのラムネではなく、個包装になった表面がざらざらとしたものが好きだ。そしてなおかつ、小さな型(5~6個一緒に包装されているもの)ではなく、少し大きめな…親指の腹がぴったりとフィットするあのくぼみがあるものが好きだ。しかし売り場から失われてしまったラムネをもとめて行く先々で、試しに買ってみたものはどこか違っていた。まず大きなそれが入っていない。味だけでも、と口に入れてみれば、舌にじゃりじゃりとしたものが残る…それが好まれるのもわかるが、私が求めているものではないのだ。噛んで食べてみれば、確かにサワー感はあるのだが、そういうのではない。浮き上がってくるようなサワー感ではなく、ほどけ、沈んで、私の味覚という水底にしずかに降り積もるように消えていく、そんなラムネが食べたいのだ。
そして仕事帰りにもいくつかのスーパーやドラッグストアなどを歩いて、ようやく大きめのものが混在しているラムネを見つけた。Kasugaiの「ラムネいろいろ」である。¥98で購入。
個包装タイプ、小粒大粒両方ある、舐めていても異物感がないなどで、これを安定供給できれば私の心の不安は軽減されることとなった。1979年からのものなので、比較的最近のお菓子といえるのかもしれない。(クッピーラムネは確か1950年から)
今後「これだ!」というラムネに出会うことがあるだろうか。楽しみにしたい。食べ過ぎて体に悪いとかあるだろうか、それは少し心配だけれど。なんにせよお菓子バクバク食べるのはやめておくよう、医者からも言われて入るのだが…。
モンハンの日記を書こうとしていたのに、ラムネのことで長くなったのでこれ単独にしておこう。